Updated April 16, 2023

効果的な英文カバーレターの書き方ガイド(サンプルあり)

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Manami Turner

Designer

外資系企業はもちろん、日系企業でもチームがインターナショナルで英語が社内公用語である場合、英語の履歴書が求められることがあります。英文履歴書にはカバーレターを添付することが一般的です。採用担当者は履歴書よりもまず先に、カバーレターに目を通します。そのため、採用担当者に履歴書を読んでもらい面接の機会を得るためにも、カバーレターで自分を売り込むことが非常に重要です。

この記事ではカバーレターについて以下のような点を解説いたします。

  1. カバーレターで伝えたいこと
  2. 基本の書き方
  3. 効果的な英文カバーレター作成のコツ
  4. AIによるスクリーニングを通過するため戦略的に言葉を選定する
  5. 英文カバーレターのサンプル

1. カバーレターで伝えたいこと

カバーレターでは、履歴書より自由に表現できます。一般的に日本企業に提出する日本語の履歴書・職務経歴書には志望動機などを含めることができますが、英文履歴書は学歴・職務履歴を簡潔にまとめる形式であるため、カバーレターでは英文履歴書に含められない、より踏み込んだ実績の説明など履歴書の補足説明を記載し「いかに優れた第一印象を与えるか」が重要です。

採用担当者は毎日沢山の候補者をスクリーニングする必要があるため、カバーレターの情報から「ポジションにあってるか、履歴書を読むに値するか」を瞬時に確認します。 そのため、カバーレターの本文はできるだけ「短く、簡潔」に、3〜4パラグラフ程度でまとめることが大切です。

主に以下のポイントを状況に応じて柔軟にカスタマイズして、簡潔にまとめると効果的です。

  • 志望動機
  • 応募する職種に、今までの実績、能力やスキルをどう活かせるか説明する
    ※ 2つ、3つ最も優れていると思うスキルを強調し、数字を用いた実績を示せると効果的
  • 履歴書だけでは伝わらないことで、採用に有利になることがあれば補足説明する
    (例)転職回数が多い理由、応募する職種の勤務地に長期的に滞在することができる理由など



2. 基本の書き方


WordやPDFなどドキュメント形式の場合

※ ビジネス文書の書式で用紙1枚以内にまとめる


メールで送る場合

    メールの件名

  • メールの件名は自分の名前と応募する求人のタイトルを記載すると担当者が認識しやすくなります。
    (例)件名:Eric Turner, Engineering Manager
  • シンプルなテキストで送る

  • 文字化けを防ぐため、テキストに色をつけたり太字や特殊文字を使わず、一切装飾のないシンプルなテキストが賢明です。



  • 3. 効果的な英文カバーレター作成のコツ


    カバーレターを使い回さない

    同じ職種でも会社ごとに異る特徴があるため、カバーレターは使い回しせず会社ごとにカスタマイズすることをおすすめします。


    できるだけ具体的な数字で示す

    実績を述べるときには、できるだけ具体的な数値を使うとインパクトがあります。

    • Data Analyst: I performed an analysis where that led to 20% greater efficiency in our _____ process.
    • Software Engineer: My implementation of _____ directly contributed to a 50% increase year-over-year in workflow improvements.
    • Management: I managed a team of _____ engineers and oversaw their performance from a technical perspective, leading to a 98% positive performance review from my team.

    会社の価値観と自分の価値観がフィットしていることを示す

    企業はスキルや経験があるだけでなく、長く働いてもらい会社に貢献してもらうためにも、企業カルチャーに合う人材を採用したいと考えています。そのため、応募する企業のValueやPrinciplesが、自身の価値観とフィットしていることを説明できると、より採用担当者の関心を引くことができるでしょう。Japan Dev の トップIT企業リストでは企業のカルチャーを会社ページで紹介しているので、是非、応募前にチェックしてください。また、事前に企業が発信する情報をブログやSNSでリサーチしておくこともお勧めです。


    実績が足りなくても卑下せず、自信を持ってアピールする

    職務概要に記載の経験年数を満たしていなくても、「私のスキルはまだ低いですが」や「経験年数が少ないですが」など、あえて自信がないことを伝える必要はありません。 応募するからには、限られた文字数で採用担当者に自分を採用するメリットを伝え、説得する必要があります。
    もし足りていない経験やスキルがあると感じていても、職務を完遂できる能力があることを自信を持って伝えられれば履歴書を読んでもらえる確率が高まるでしょう。


    装飾を控え、わかりやすくシンプルにまとめる

    1. テーブルやグラフ、装飾、ロゴ、シンボル、写真などは使わない
    2. ArialやCourier、Times New Romanなどの標準的なフォントを使用する
    3. 1ページにまとめる。本文は3-4パラグラフ程度
    4. ATSシステム (採用管理システム) を導入している企業に応募するときは、AIによるスクリーニングがあることを想定し、PDFではなく、Wordなどのテキスト形式が安全
      ※ PDFスキャンの精度は上がっていますが、AIが確実にスキャンできるのはテキスト情報です。




    4. AIによるスクリーニングを通過するため戦略的に言葉を選定する

    最近はATS(Applicant Tracking System)という採用管理専用のシステムを利用する企業が増えています。特に、人事業務へのAI導入に積極的なアメリカでは、ATSのAIによる履歴書スクリーニングが広く普及しています。そして、驚くことにアメリカでは応募者の約75%がAIによる書類審査に通過できないようです。

    日本はアメリカに比べ、まだまだ採用選考においてAIの導入が遅れているものの、IBMのワトソン(Watson)を使った選考手法をソフトバンクが2017年から採用するなど、大手IT企業や外資系企業を中心に、AIを使った採用選考を導入し始めています。

    AIによる採用選考とは、主に候補者のカバーレターや履歴書情報から自動的にスキル・経験を読み取り、職務概要に沿ったキーワードやフレーズをスキャンし、マッチ度により候補者をランキングします。そのため、履歴書だけでなくカバーレター作成においても、ATSを考慮したキーワードやコンテンツの選定などの戦略が必要です。

    以下、AIによるATS審査を通過するためのコツを紹介します。


    キーワードは一般的な名称を使う

    日本語には省略語が多く浸透していますが、学歴やスキル、専門的な資格を記載するときは省略語を使わない方が賢明です。なぜなら、ATSシステムがスキャンするときに認識できない可能性があるためです。

    例えば経営学修士を持っている場合、以下のような表現ができます。

    (1) MBA
    (2) M.B.A.
    (3) Master of Business Administration
    (4) Masters of Business Administration
    (5) Masters of Business Administration (M.B.A.)

    しかし、ATSのシステムがスクリーニングする場合、企業の職務概要に記載されているキーワードをそのまま書くべきです。職務概要に記載がない場合は、正式名と一般的に使われる省略名を両方記載する(5)の表現が最も安全です。


    企業が候補者に求める条件とコンテンツのマッチングを意識する

    AIは、カバーレターと履歴書から企業の求めるスキル、経歴、居住地や言語レベルなどの条件がどれだけマッチするかをチェックします。そのため、書類選考を通過するために重要なキーワードが何かをよく考え、企業が採用するメリットを、AIが認識できるように一般的な名称で説明することが重要です。



    5. 英文カバーレターのサンプル


    TIPS: 決まり文句を使わない

    AIによるスクリーニングがあったとしても、最後には人間による審査があります。同じようなハードスキルの候補者が複数人いれば、より熱意がありソフトスキルや価値観が企業のカルチャーに最も合うと思える人が選ばれます。
    採用担当者は日々沢山の候補者をスクリーニングしているため、決まり文句は退屈です。目に留めてもらい、選んでもらうためにも、志望動機や実績を情熱をもって伝えることで、採用担当者の心を動かすことができれば他の候補者より一歩前に出ることができるでしょう。

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